平成12年度第2回CAD講習会のご報告



地方開催の平成12年度第2回CAD講習会は無事終了しました。今後のCAD講習会の運営に参考をするため、各講習会担当の先生からの実施内容のご報告及びご感想を掲載させていただきます。各先生方のご協力どうもありがとうございました。


北海道大学開催 Cadence講習会

講習会名 Cadence 講習会
開催日 2001年3月6日〜8日 9:30-18:00 (3日間)
開催場所 北海道大学VDECサブセンター
参加人数 18名(内、北大から13名)
講師 日本ケイデンス・デザイン・システムズ社
カスタマーテクニカルサポート本部 エデュケーションサービス部より
安藤信雄 様(Verilog-XL),角田薫 様(Virtuoso),木林弥生 様(Diva)
講習内容

Cadence講習会(初級)

(1)Verilog-XL:受講者の大半がVerilog初心者であったため、Verilogの講義中心にVerilog-XLの演習をとりまぜて講習を行った。

(2)Virtuoso Layout Editor:VDECを通じてフルカスタムLSIを設計・試作するための基本操作を中心に、演習の時間を多めにとって講習を行った。

(3)Diva:DRC, Extract, ERC, LVSの基本使用法の学習を演習中心に行った。

感想 北大VDEC初めての講習会ということで大変良い勉強をさせていただきました。初心者(北大)のユーザを対象とした講習をお願いしたのですが、その反面、経験者には物足りなかったかもしれません(募集時に対象レベルを明示すべきでした)。アンケートでは、講習期間が短いとのご指摘をほぼ全員から受けました。合わせて、開催時期の変更を望む声も多数ありました。
講習会風景



講習会のInternet中継
(試験的に、URL未公開でした)

  



名古屋大学開催HSPICE 講習会


講習会名 Star-Hpice講習会
開催日 2001年3月8日〜9日 9:30〜17:00(2日間)
開催場所 名古屋大学VDECサブセンター
参加人数 20名
講師 NTTアドバンステクノロジ株式会社
先端技術事業本部CADシステム事業部テクニカルサポート部
高橋和廣様,西海栄一様
講習内容

Star-HSPICEの基本的な機能と回路記述方法を中心に,演習問題を通じてStar-HSPICEの操作までを学習」

感想 1日目は電源,素子の表現方法から始め,実習を行ないながらStar-Hspiceの基本的な利用方法について習得した.
2日目は,より複雑な統計解析手法,オプション機能,解析法・非収束について実習を行なった.
受講者は皆真剣に講習を受けていた.会場の都合で,端末を数人で共用していただくことになったのが残念である.今後改善したいと思う.
講習会風景

 



東北大学開催Synopsys講習会

講習会名 SYNOPSYS講習会
開催日 2001年3月21日-23日 10:00-17:00(3日間)
開催場所 東北大学VDECサブセンター
参加人数 Design Compiler:21名(内東北大学外:4名)
Scirocco:14名(内東北大学外:3名)
講師 Design Compiler:日本シノプシス(株) 技術本部 サポートエンジニアリンググループ 藤田 清子 様
Scirocco:日本シノプシス(株) 技術本部 サポートエンジニアリンググループ 玉那覇 仁 様
講習内容

Design Compiler(1日目,2日目):ChipSynthesis2 Workshop DCをある程度使いこなしている人を対象にした講習。実際の設計において、効率の良い設計を行うための様々な論理合成テクニックを学んだ。

Scirocco(3日目):Scirocco Workshop
 VHDLシミュレータ Sciroccoの使い方を学習

感想  Design Compilerの講習会では、今回はDCにある程度習熟した人を対象にした講習会を開催したが、事前のアナウンス不足のためにDCを使ったことがない、ほとんど使ったことがない人が多数参加した。この方々には今回の講習会の内容はかなり難しいようであった。今後は、事前のアナウンスをしっかり行いたいと思う。
 Sciroccoの講習会では、VHDLユーザーが少なく、うまく行くかどうか不安もあったが、わかりやすい講習内容で、ツールの使い方を理解できたようである。
 使用したワークステーションにSS5,SS20等の古いワークステーションが多数あったが、このワークステーションではパワー不足で、DCの演習を行うには時間がかかりすぎた。このため、途中で別のワークステーションにログインするように修正した。事前のチェックが不十分であった。次回の開催時には注意したい。
 アンケートからは、
  ・3月上旬に開催してほしい
  ・地方開催の講習会を増やしてほしい
  ・DC以外のツールの講習会も開催してほしい
  ・他社ツールとの組み合わせた講習会をしてほしい
  ・ユーザーのスキルに差があるので、初級、中、上級の講習会を分けて開催し、回数を増やしてほしい
  ・初心者用に、VDECの試作フローに基づいた講習があると良い
等の意見があった。
 サブセンターのメンバーで行える講習会(初級向け)であれば、サブセンター独自で開催する事も検討してみてはどうだろうか。
講習会風景

 


金沢大学開催 Avant!講習会

講習会名 Avant! 講習会
開催日 2001年3月12日〜13日 9:00-17:00 (2日間)
開催場所 金沢大学VDECサブセンター
参加人数 16名(金沢大学からの参加者を含めると30名以上)
講習内容

Avant!社のPlanetPL(フロアプランナ)とApollo(自動配置配線)による
大規模ディジタルLSI向け階層レイアウト設計方法

1日目
1. Milkyway Cell Library Preparation Training
2. Apollo Fundamentals Training
3. Apollo Fundamentals Laboratory Exercises

2日目
4. Planet-PL(Physical Floorplanner) Training
5. Planet-PL(Physical Floorplanner) Laboratory Exercises

感想 1日目はセルライブラリデータベース構築や外部データの入出力を行うツールであるMilkywayに関する講習と、配置配線ツールであるApolloに関して講習と実習が行われた。

2日目はフロアプランナであるPlanet-PLに関して講習と実習が行われた。それぞれのツールについて初心者向けに分かりやすい講習が行われた。しかし、元々別々のトレーニングであるため、2日間の講習ではトップダウン階層レイアウト設計手法全体の理解は困難であったと思われる。このため講習会後に実習データを使ってフロアプランから配置配線まで通して試行してみることが必要であろう。

また、Apolloツールの負荷を考慮して実習はサーバのみで行い、数人に1人の割合で実習を行ったが、メモリ64MBのSparcStation5でも十分実習可能であった。今後は事前調査し、できるだけ参加者全員が実習できるよう配慮したい。
講習会風景



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