Read Me First
LSIの設計においては,設計手法の選択は非常に重要である.要求性能,チッ
プサイズ,開発期間などを考慮し,最適な戦略を立てなければならない.一般
に,大規模な論理VLSIでは,設計の精度を高め,開発期間を短くするためには,
検証済みのデータを使用するいわゆるセルベースの設計が不可避であると考え
られる.ところが,設計用セルライブラリには製造プロセスに依存する情報が
含まれているため,設計者の利用するファウンダリの製造プロセスに合わせた
ものを使用しなければならない.
これまで大学や高専などの教育機関においてLSI設計を行う場合,以下のよう
な事情から,セルライブラリはファウンダリ側から提供されたものを利用して
きた.
- セルライブラリは利用するファウンダリの製造プロセス,設計ルールに
依存するデータである.
- セルライブラリ開発には通常膨大な時間,コストがかかるといわれてい
る.
また,ファウンダリから供給されるセルライブラリは特定のCADツールに対応
しているため,設計に用いるCADツールが限定されがちである.この場合,
設計者(教育機関)側で自由にツールを選択することができないため,ファウン
ダリが変更する度に新たなCADツールを導入しなければならない.
設計者側にとっては,こういった状況を改善し,いかなるファウンダリを利用
する際にも,使用するCADツールを自由に選択できるような環境を整えること
が求められる.
- 塩見謙太郎 , 沖野晃一, 川崎隆志,
安浦寛人, 佐藤 政夫,
``商用ツールを利用したLSI設計用ライブラリの開発,''
DA シンポジウム '98, pp. 25-30, 1997年 7月.
- 塩見謙太郎 , 沖野晃一, 川崎隆志,
石原 亨,安浦寛人,
``VDEC用スタンダードセルライブラリの開発,''
電子情報通信学会技術報告, VLD97-31 pp. 105-112, 1997年 6月.
目次へ
The purpose of Lib. development
Edited by Tohru Ishihara