センター長からのご挨拶


センター長         

 4月1日より、浅田前センター長の後任としてセンター長に就任いたしました、藤田昌宏です。大規模集積システム設計教育センター(VDEC)は、1996年5月にスタートし、22年が経過しています。初代センター長、鳳教授、ならびに2代目センター長、浅田教授のリーダーシップの基、VDECは日本のアカデミアにおける半導体チップとデバイス試作において、非常に大きなユーザ数を持つ、日本全体にとって欠かせない組織に発展してきていると考えています。VLSIチップ試作およびそのための設計ツールの提供に対しては、年間300の研究室に利用され、また各種デバイス試作のためのクリーンルームや関連施設・設備は、年間200近くの研究室に利用されるようになっています。

 半導体産業は世界全体として継続的に成長しており、これからもIoT関連など、持続的な成長が予想されています。その土台となるアカデミアの研究開発を支援することは、極めて大きな責務であり、VDECの重要性はますます大きくなっています。海外にもVDECのような組織は米国、カナダ、ヨーロッパ、韓国、台湾などに、地域によっては複数あり、VDECと同様の使命を担っています。これらの組織間で毎年定例の会議を開催しており、お互いにアイデアを出しながら、VLSIチップやデバイス試作に関するユーザへのサービス提供に関し、世界レベルでの協調を進めており、今後より密な連携作業が進められる予定です。

 また、寄付研究部門D2Tも設立から10年近くたち、海外から多数の客員教員が滞在し、教育・研究の両面で大きなインパクトを与えています。広い意味でのテストと設計をキーワードとした多くの研究が立ち上げられ、研究成果が生まれ、その産業界での利用も進んでいます。今後、VLSIチップとデバイス試作の両面に関連して、さらに活動を活発化する予定です。

 VDECはこれまで大きく発展して来ていますが、今後は、従来のチップやデバイスの試作の範囲を超えて、情報系のリソースも取り込んだ、電子機器システム全体の研究開発の支援へと発展できればと考えています。そのためには、より大規模なチップ試作の効率化、商用利用も考慮した設計ツールの提供、VLSIチップ試作とデバイス試作の統合化などにも取り組んでいきたいと思っています。これからもご支援をよろしくお願いいたします。

       2018年4月

                                センター長  藤田 昌宏


元センター長 鳳 紘一郎 教授からのご挨拶

元センター長 浅田 邦博 教授からのご挨拶



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