コース4:最先端VLSI設計実例

1.「先端デジタル設計(仮)」
日程:1月31日(火)
定員:150名程度
場所:東京大学武田先端知ホール
コーディネータ:石原 亨(九州大学 助教授)・井上弘士(九州大学 助教授)・村上 和彰(九州大学 教授)
講義内容:

1/31(火)

9:30〜10:00

「イントロダクション」
石原亨、井上弘士、村上和彰(九大)

10:00〜11:00

「High Level Optimization Techniques for Computation Intensive Applications (講演は英語になります)」
Farzan Fallah(Fujitsu Laboratories of America, Inc.)

11:15〜12:15

「Flex Power FPGA:FPGAの低消費電力化と高速化の両立を狙って」
小池汎平(産業技術総合研究所)

12:15〜13:30

《昼食》

13:30〜14:30

「並列アプリケーションプロセッサMP211のアーキテクチャと低電力化設計」
鳥居 淳(NEC)

14:45〜15:45

「Cell Broadband Engineのアーキテクチャと実装」
山崎 剛(ソニー・コンピュータエンタテインメント)

16:00〜17:00

「システムLSIの課題と展望〜電力の壁を乗り越える〜」
黒田忠広(慶応義塾大学)

17:00〜17:30

「ラップアップ」

石原亨、井上弘士、村上和彰(九大)

講義詳細:
講義題目: High Level Optimization Techniques for Computation Intensive Applications (講演は英語になります)
講師氏名: Farzan Fallah(Fujitsu Laboratories of America, Inc.)
概要: Arithmetic computations are the major components of the latency, complexity and power consumption of DSP systems. Careful optimization of arithmetic computations can help achieve lower power consumption, higher performance, and smaller area. Unfortunately, system designers have limited tools for optimizing these arithmetic computations. In most cases, designers rely on hand optimized library routines (for software) or IP blocks (for hardware) to implement these computations. In this talk I present advanced algorithms for optimizing polynomials and linear systems which can achieve significantly better results compared to previously proposed techniques. The techniques can be used in a hardware design flow or before software compilation.
講義題目: Flex Power FPGA:FPGAの低消費電力化と高速化の両立を狙って
講師氏名: 小池汎平(産業技術総合研究所)
概要: FPGA回路素子を細粒度にしきい値電圧再構成可能とすることにより、 クリティカルパス外の素子の低消費電力化と、クリティカルパス上の 素子のフォワードバイアス印加による高速化の両立を狙ったFPGAアー キテクチャであるFlex Power FPGAについて、これまで行ってきた研 究を紹介する。また、この研究の発端ともなった、産総研発の新構造 デバイスXMOSトランジスタ(ダブルゲートの原型)とその周辺技術の 研究についても紹介する。
講義題目: 並列アプリケーションプロセッ サMP211のアーキテクチャと低電力化設計
講師氏名: 鳥居 淳(NEC)
概要: 近年、並列処理を活かしたマルチコア技術は単なる高速化のためだ けではなく、低消費電力を実現するための手段としても用いられる。 本講義においては携帯機器用アプリケーションプロセッサMP211を題 材として、具体的なアーキテクチャとその決定に至ったプロセス、採 用した低電力化技術とその効果について紹介する。また、並列処理ソ フトウェア技術に関しても簡単に触れる。
1.最近のマルチコアプロセッサの紹介
2.MP211の概要とその特徴
3.MP211アーキテクチャの思想と設計
4.MP211低電力化技術とその評価
5.MP211タスク並列処理ソフトウェア技術
6.今後の方向性
講義題目: Cell Broadband Engineのアーキテクチャと実装
講師氏名: 山崎 剛(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
概要: Cell Broadband Engineの論理・物理アーキテクチャについて概観 し、実装上の特徴について概説する。また、高性能プロセッサテクノ ロジの今後の方向性についても考察する。
講義題目: システムLSIの課題と展望〜電力の壁を乗り越える〜
講師氏名: 黒田忠広(慶応義塾大学)
概要: 電力増大の壁に阻まれて、CMOSデバイスの微細化が難しくなってい る。しかし、システムLSIは、21世紀の高度情報化社会を拓く基盤技 術である。たとえデバイスの微細化のペースがこれまでに比べて遅く なったとしても、半導体産業と技術は、今後も大きな発展を続けるで あろう。直面する技術課題を解決するには、デバイスから設計、応用 までの総合技術が求められる。そのためには、デバイス(物理学)か ら集積回路(電子工学)さらにはビジネス(経済学)に至る広い教養 と深い専門を備えた人材が不可欠であり、若い人の活躍が期待される。

2.「先端アナログ設計(仮)」

日程:1月18日(水)
定員:150名程度
場所:東京大学武田先端知ホール
コーディネータ:益子耕一郎 (東京大学 客員教授)
講義内容:

1/18(水)

10:0012:00

CMOS RF回 路と無線通信用LSIの設計 (松岡 俊匡、大阪大学

13:0016:00

CMOSアナログ回路設計の基礎(松澤 昭、東工大)

16:0018:00

PLLの設計と最新PLL技術状況(田中 聡、日立製作所)

講義詳細:
講義題目: RF CMOS 回路設計の基礎
講師氏名: 松岡 俊匡(大阪大学)
概要: 最初に,RF回路に要求される特性を整理します。次に,低雑音増幅回路、ミキサ、電圧制御発振回路などの
RF基本回路の設計について述べた後、デュアルバンドGPS受信回路の設計事例を紹介する。最後に、RF CMOS 回路
設計の今後の課題について述べる。
 1. RF CMOS基本回路とその諸特性
 2. RF 基本回路の設計
   低雑音増幅回路
   ミキサ
   電圧制御発振回路
 3. デュアルバンドGPS受信回路の設計事例
 4. RF CMOS 回路設計の今後の課題
講義題目: CMOSアナログ回路設計の基礎
講師氏名: 松澤 昭(松下電器)
概要: ネットワーク時代の基幹技術として、CMOSアナログ回路が注目されている。本講義においては、以下の内容に基づき、背景から、簡便ではあるが本質的な回路設計法を述べる
  • 今後のエレクトロニクスの方向性
  • CMOSアナデジ混載LSI技術
  • CMOSによる超高速アナログ回路の実現
  • CMOSアナログ回路の設計法
    • CMOSアナログ回路の分類
    • CMOSアナログ設計手法
      • 仮想電位を用いた基本特性の算出
      • レシオとプロダクトによる定数の決定
      • スイッチ回路設計
  • アナデジ混載設計フロー
  • CMOSアナデジ回路の課題と今後の展望
講義題目: PLLとPLL搭載AD混載LSIの設計
講師氏名: 田中 聡(日立製作所)
概要: PLLは多くのシステムLSIに使用され、LSI内部の高速クロックの発生や他システムとの同期をとるのためなどに広く利用されている。本講義では、PLLの動作と設計手法を、具体的回路実例をもとにした簡単な演習を交えて、説明する。
  1. PLLの構成と動作
  2. 個別回路の設計
    • 位相比較器
    • VCO(電圧制御発振回路)
    • ループフィルタ
  3. 全体動作の検証
    • 安定性の検証
    • 雑音の影響
  4. PLL搭載AD混載LSIの実例
    • ハードディスクの記録波形を読み出すLSIは、波形等化と符号に対する同期を行う。最近ではPRML(partial-responce maximum-likelihood)という符号形式が利用されている。ここでは、これらのLSIで用いられているPLL構成について紹介する。