平成18年度 高位設計セミナーのご案内

申し込み受付を終了いたしました。(2007/3/13)

 従来からC言語ベース設計や高位設計手法に関して、数多くのセミナーやチュートリアルが開催されてきています。しかし、当該技術が新規のものであり、かつ現在も研究が鋭意進められている分野であることから、簡潔な技術的講義の後、

「まずは、ちょっと使って、体験してみる」

ことを通して、具体的にどのようなものであるか、また自分の使っている設計手法との親和性などについての直感的理解が大切であると考えています。

 そこで、最小限の講義による理解を元に、実際に各種高位設計ツールを実際に体験できるセミナーを企画しました。大学院学生・社会人の両方を対象として構成しており、前提知識は従来のLSI設計手法の基本だけで理解できるように考えられています。

 なお、各種商用ツールも利用しますが、講義・演習のほとんどはVDEC教員・職員により行われます(各商用ツールメーカにはご協力をいただいておりますが、商用ツール自体のセミナーではありません。あくまで高位設計を理解するためのものです)。

 本セミナーは、3日間で構成されており、それぞれ、下記の内容の講義と実際のツールを使った演習から構成されています。

 演習では、実際にツールを使って、合成してみる、検証してみることに重点が置かれています。C言語設計や高位設計の話しはよく聞くが、実際に使うということがどういうことかがはっきりしないと感じておられる方に最適なセミナーであると思います。なお、本セミナーは高位設計に興味のある社会人、教育機関在籍の教職員、学生の方を対象としており、職種を問いません。


  1. 開催日

     3月19日(月),20日(火),21日(水)  (3日間,受講参加日の指定可)

  2. 開催地

    東京大学武田先端知ビル (本郷キャンパス浅野地区)、1階セミナー室 (アクセス方法)

  3. 講義内容とスケジュール

     

    3月19日(月)   高位設計・等価性検証
    午前 レジスタ転送レベルより上位の設計合成・検証技術の基本の解説、ならびに関連研究動向、およびツール開発状況について講義形式で説明する。
    (講師: VDEC 藤田昌宏氏)

    午後

    C言語設計を中心にした高位設計の流れを理解できるように、C言語レベルの検証、C言語からレジスタ転送レベル設計の自動合成、そして、各設計段階間の形式的等価性検証について、それぞれ商用ツールを利用しながら、その実際について体験する。まず、大規模なC言語記述をチェックするチェッカーの体験を通した、ハードウェア・ソフトウェア協調設計の初期段階における検証手法の理解を行う。次に、ハードウェア部として切り出されたC言語記述に対する高位合成を体験する。そして最後に、高位合成結果や人手設計と元のC言語記述との等価性を形式的に検証することを体験する。
    (担当: VDEC 教職員)
    10:00-12:00 高位設計合成・検証技術動向(講義)
    13:00-14:00 C言語チェッカー Coverityの利用(商用ツールを利用した演習)
    14:15-15:45 高位合成ツール eXcite の利用(商用ツールを利用した演習)
    16:00-17:30 形式的等価性検証ツール SLEC の利用(商用ツールを利用した演習)

     

    3月20日(火)    論理関数処理技術と論理合成

    午前

    論理関数処理技術の基本と最新技術動向、また、論理合成技術の最新動向について講義形式で解説する。特に論理関数の充足可能性判定(SAT)手法は近年、劇的に性能向上しており、その最新アルゴリズムや動向についても解説する。
    (講師: VDEC 藤田昌宏氏)
    午後 論理関数充足性判定(SAT)ツールの使い方について、いくつかの問題に応用しながら演習形式で体得する。また、低消費電力の簡単からも注目を集めている非同期回路の自動合成の基礎と現状について、講義と演習で体得する。
    (講師: 会津大学 斉藤寛氏、担当: VDEC 教職員)
    10:00-11:00 論関数処理・論理合成技術の動向(講義)
    11:15-14:45 論理関数充足性判定(SAT)手法の応用(パブリックツールを利用した演習)
    15:00-17:30 非同期回路合成ツールPetrifyの利用(講義とパブリックツールを利用した演習)

     

    3月21日(水)  (注意:祝日です) OCPとプロトコル変換

    午前

    IPコア再利用の上で極めて重要な役割を担う、オーブンは標準オンチップバスプロトコルである OCP (Open Core Protocol)について、現状も含めて基礎からの解説を行う。
    (講師: ソニックス社 鈴木一可氏)
    午後 SoCにおけるIP再利用設計手法や関連技術の解説を行うとともに、東京大学で開発した自動プロトコル変換手法の概要について説明する。その後、そのプロトコル変換ツールを使って実際にプロトコル変換器合成を体験する。最後に、OCPなどに対するプロトコルインタフェイスの検証手法について、商用ツールを利用しながら、形式的検証も含めて体験する。
    (担当: VDEC 教職員)
    10:00-12:00 OCPの概要(講義)
    14:15-15:45 プロトコル変換ツールの利用(パブリックツールを利用した演習)
    16:00-17:30 OCP検証環境の利用(商用ツールを利用した演習。含む、形式的検証)

     

  4. 参加費用
  5.    教科書代 3,570円  (講習会当日に販売します)

       なお、別途当日、発表資料のコピーなども配布いたします。

  6. 参加対象
  7.    高位設計に興味のある社会人教育機関在籍の教職員学生

  8. 定員
  9.        40名

  10. 申し込み方法

               申し込み受付を終了いたしました。

    電話:03-5841-8908,FAX:03-5841-8914
    E-mail: seminar@vdec.u-tokyo.ac.jp


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